2020/05/06

「壬生狂言の夜」司馬遼太郎短篇全集三

土方に頼まれて、与六は松原のまわりをさぐることとなる。松原はお茂代の旦那をあやまって切り殺してしまう。与六は松原にお茂代と逃げることを勧めるが、そのまま心中する。与六は自分が土方の策略の駒であったことを知る。
やっぱい暗い作品は好きではないね。
でも、やはり司馬さんは新選組というのがあまり好きではなかったようで。『燃えよ剣』は名作だけど、司馬さんは新選組を田舎者の集まりとして書いているし、近藤にしろ土方にしろ、けっこう悪く書いている。
加えて、新選組の哀しさも描く。武士になれると夢見て、夢破れて・・・という感じ。すぐそこに武士の時代が終わりが見えているが、当人たちは知ってか知らずしてか、武士をあきらめない。
この短篇では、土方の暗さが落ちに使われていて、そして心中した夜に壬生狂言がはじまることで小説が終わる。その後の新選組は悲しい喜劇みたいなもんでしょう。

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