2019/03/27

途中で読むのをやめた本。もしくは超斜め読みした本。

ここ数ヶ月のあいだ、手にとってみたが途中で読むのをやめた本がいくつかある。思っていたものとは違う内容であったり、興味が途中でうせたり、つまらなかったり、といろいろ理由がある。古典とかだと根性で読むのだけれど。

『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ ソルニット 東辻賢治郎訳 左右社
読みはじめて、すぐにこれは違うと思った。たぶんおもしろい内容なのかもしれないが、ぜんぜん読み進められなかった。最初の20ページ読んだか読まないかで、もういいやとなる。「歩くこと」を思想史のなかに位置づけ、現代的な意味を探るというのはおもしろいそうなのだが、文章が……。翻訳がダメとは思わない。書いている内容がちょっと詩的・文学的すぎて、僕のような根っからの散文男にはついていけなかった。内容はいいのかもしれない。でも、読み進められないのでは仕方がない。

『系統体系学の世界 生物学の哲学とたどった道のり』三中信宏 勁草書房
これは単純に難解だった。背景知識が足りないなか、書き方が不親切なためか、ひとつひつの概念がさっぱり。大文字で「系統体系学」と書かれているから、生物学における系統樹の考え方を知ることができるのかと思いきや学説史だった。

『音楽嗜好症(ミュージコフィリア) 脳神経科医と音楽に惹かれた人々』 オリヴァー・サックス 早川書房
かなり流し読みとなる。いろいろな症例を記述しているだけな感じ。4分の1ぐらいまで読むがつまらない。

『猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理』 ジョン・ブラッドショー 早川書房
とりあえず流し読みはした。ネコの起源については勉強になった。でも、あんまり興味がわかなかった。もっとにゃんこの生態学的な話がほしかった。流して1時間で無理やり読了。

『精霊の王』 中沢新一 講談社学術文庫
中沢新一は、けっこう人気あるけど、僕はむかしから何がおもしろいのかよくわからかった。「カイエ・ソバージュ」シリーズや『チベットのモーツァルト』とかもぜんぜんだった。テーマはおもしろいんだけど。やっぱりあうあわないがあるんだなぁ。『精霊の王』は、古本屋で見つけて、やっぱりおもしろそうだから、今度こそはいけるのではと思ったが、ダメだった。「しゃくじ」とか「胞衣」とかから古層を探る試みのようなのだが、おもしろいと思うのだが、しんどかった。半分も読めず。

『ブラインドサイト』ピーター ワッツ 嶋田 洋一訳 創元SF文庫
上巻の3分の2まで読むが、吸血鬼ってなによとなる。SFでもファンタジーでも読み進めていく中で世界観とか人間関係とかキャラ設定とか理解できるものなんだけど、よくわからなかった。話もぜんぜん進まなかったし。下巻でおもしろくなったのかもしれないが、もういいや。

『先史学者プラトン』メアリー・セットガスト 山本貴光 吉川浩満 訳 朝日出版

これは、プラトンの著作から先歴史時代を解き明かす試み。これはとっても刺激的な論考なのかもしれないと思った。とりあえず流して最後まで読んだが、考古学の知識がなく半分も理解できなかった。まず地理が頭にないし、古代都市の名前も初めて聞くものが多くって。原書は30年前に出版されたもので、あれから30年的なことが解説とかで書かれていないのはマイナスポイント。

『増補 日蓮入門 現世を撃つ思想』末木文美士 ちくま学芸文庫
Wikipedia以上のものは得られない。もともと新書で出版されたものが文庫落ち。新書って入門書みたいな扱いになっているが、僕の経験上、入門書となってくれた新書は一冊もない。しんどくても専門書を読んだほうが絶対に知識を得られる。本書も、日蓮の生涯をあまりにも簡潔におさらいして、あまりにも簡潔に思想を紹介する。こんなんで一般人は日蓮を理解できるのかと疑問に思う。途中でWikipediaのほうがためになると思って、ブックオフ行きのダンボールへ。

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