2020/05/23

「 忍者四貫目の死」司馬遼太郎短篇全集四

忍び知道軒道人が信長を殺しに来る報を受け、信長は蚊羅刹に知道軒を殺すことを命じる。しかし知道軒は蚊羅刹の腕では倒せる見込みもないし、しかも知道軒は喰代祝部源太夫の実弟。しかし源太夫は蚊羅刹を殺すことを承諾し、四貫目、吐根という忍びとともに本能寺で待機する。
んー、オチもいまいち。四貫目がじつは知道軒であり、じつは吐根は後家康に仕えた若き服部半蔵という。
四貫目か吐根が知道軒だ、というのはうすうすわかっていたが、なんか興ざめだったのが、吐根が若き日の半蔵だということで、たまにこういうことを司馬さんはやる。
『梟の城』でもそうだし、まあ歴史ロマンにはあふれるんだけど、これをやっちゃうと司馬遼太郎の嘘の「リアリズム」が、まったくの嘘になっちゃう。

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