久しぶりにジョディ・ピコーの小説を読む。最後はどんでん返しで、ラストではジェナはじつはすでに死んでいたというオチ。で、なぜジェナは死んでいる必要があったのか。このあたりがしっくりこなかったかな。
ピコ―の小説はアイデンティティがよく問題になっている。本書では出生の秘密がテーマ。"Nineteen Minutes"とかは、スクールシューティングをテーマにして、そこに若者のアイデンティティなんかを絡めていて、なかなかアクチュアルな内容だったからよかった。アメリカの高校生もモテる奴、モテない奴がいて、スクールカーストがあって、どこも一緒だなーと思ったものだ。そんななか主人公が見せたラストの行動はなかなかよかった。家族や友人というものを顧みさせる何かがあった。
けど、今回のはまあおもしろい小説ではあるのだけれど、ジェナが幽霊である必然性というか、どんでん返しの意味が、結局読者を驚かす程度の意味しか見いだせなかったし、アメリカ社会の闇的なものもあまりなくて、ちょっと肩すかしだった。
それにゾウが今回の主要な読解上のカギとなると思うのだが、ゾウと出生の秘密にどんな関係性があるのかもよくわからなかった。
英文だったし、僕の読みが浅くなってしまったかもしれない。
ピコーさんは、超能力だとか霊能力とかを小説によく盛り込んでいて、今回も霊能力者が主要な登場人物ででてきている。
ピコーの小説のわりには、原書で読んでも、読みやすかったと思う。"Nineteen Minutes"とか"Sing You Home"とか結構アメリカのちょっとした文化とかを知っていないとわからない文章がでてきたりして苦心した。
本書を読んでよかったのは、無駄にゾウについて興味が湧いてしまったこと。
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