Beethoven
Sonata No. 30 in E Major, Opus 109
Sonata No. 31 in A Major, Opus 110
Egon Petri, piano
CONCORD 3002, USA, 1956
このレーベルを知らない。CONCORD RECORDという会社でニューヨークの住所がジャケットに書かれている。Wikipediaで見るとカルフォルニアの会社だし、70年代に設立だし。Wikipediaでペトリを見てみるとカルフォルニアのバークリーで亡くなっている。CONCORD RECORDのサイトを見るとクラシックも出していることがわかった。ネットで今回購入したレコードについて、DISCOGtかで調べたけど、よくわからない。面倒になったから、調べるのを放棄することにした。いずれわかる時が来るもので。
エゴン・ペトリは1881年生まれというから、レコーディングはSP時代で、それをLPにしたのか。そのあたりがよくわからない。
音質はよくないが、十分に歴史を教えてくれる。かなりうろ覚えだが、音楽評論家のハロルド・ショーンバーグという人が『ピアノ音楽の巨匠たち』(シンコーミュージック)という本のなかで、ペトリをとても賞賛していた。すこし彼の左手はずれてピアノを演奏しているようで、それが彼特有のロマンティシズムを生みだすとかなんとかいっていた。今回のレコードを聴いたところで、そのズレがわかるわけでもないが。
31番の第三楽章のフーガがとてもいい。立体的で力強い。先のショーンバーグの言葉の影響か、左手の低音部に耳がいってしまうが、低音部をよく響かせているのがわかる。だから重厚な演奏になっている。30番も第三楽章の変奏曲なんかロマンティシズムあふれる名演と思う。
ペトリは鍵盤をしっかりと弾いている感じで、ずっしりと重い演奏になっている。もっと録音状態がよければよかった。1930年代〜50年代ぐらいの演奏家の録音をたまに聴くと、当時の演奏がいかに自由で、そして大胆であったかがわかる。現代の演奏はどこか型にはまりすぎている印象も否めないと思う。現代人は自分たちが昔よりも自由であると考えているかもしれないが、実はそれほど自由を謳歌しているわけでもなく、けっこう不自由だと思われる。社会的規範が内面化しすぎているようだ。まあ窮屈なのは昔も今も変わらないか。
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