2019/03/08

『その女アレックス』 ピエール・ルメートル 文春文庫

なぜこの小説が流行ったのか、まったく理解できない。
なぜアレックスは、フィエットとという拷問を受けたのか。その理由がどこかに書いてあるのかとおもったらない。フィエットである必要はあったのか。苦しめるなら他の方法でもいいと思う。
おそらくは陰惨な描写がこの小説の売りなのかもしれないが、残念ながら、それほどでもなかった。拷問シーンでなかなかよかったのは『犬の力』かなと思う。
このフィエットという拷問方法が新奇と読者に感じられるところまではいい。ただ、なぜフィエットなんだよ、このやろー。
それとどんでん返しという売りなのだが、ただのご都合主義でしかない。アレックスの計画はカミーユ刑事だから偶然成功したけど、そんなあやうい計画をしてアレックスの用意周到さをアピールするのもなんだか。
まあ数年前に「このミス」で一位だったから、古本屋で見つけて買った。こういう駄作を一位にしていると「このミス」の信用もなくなるだろう。まあもうないかもしれないけど。

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