2020/04/24

「みょうが斎の武術」司馬遼太郎短篇全集三

大阪鰻谷で犬猫を理想に剣術を磨くみょうが斎の話。
「犬猫になるのに、師匠も弟子も要るか。お前の家にも土間ぐらいあるやろ。そこで寝てたらええ。」
「酔生夢死するこっちゃ。理想というもんを持ちたがるさかい、人間世界が住み辛うなる。」
お歌はみょうが斎に剣術を習いたいという。藤兵衛はそのなかを嫌々ながらとりもつ。天満試合の当日、乳繰りあっているところを藤兵衛に見られながら、試合にむかう。

いい話です。最後の天満試合なんか、薩摩の野暮ったさがでている。司馬さんは、けっこう長州や薩摩だとかに辛口なところがあって、田舎者と思っているふしがある。じっさい、幕末のころなんかそんな輩のような連中が大阪、京を我が物顔で闊歩してたら腹も立つ。

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