2020/04/23

「外法仏」司馬遼太郎短篇全集三

藤原良房は娘の明子が産んだ文徳帝の第四皇子を皇太子にするため十番の競べ馬をすることになる。恵亮は加持を行うことになる。恵亮は青女と関係をもち、女犯をおかしてしまう。そこで恵亮は青女に何かをあげることを約束してしまう。それは自らの外法頭となった頭だった。青女の外法仏が功を奏し、斃れた白馬は立ち上がり勝ち続ける。その結果皇太子となった皇子は後の清和天皇だという。

導入はすばらしかった。青女のあやしさが十分あり、三白の眼が目に浮かぶ。
ただし、ちょっとできはどうか。司馬さんの幻想小説としては、ちょっと物足りない。恵亮の旧知黒緒の存在が弱い。中途半端なところがあって、青女の邸にいっても、とくに何もせず、恵亮の加持に何も影響もなく、真実を知っているのは黒緒だけ、みたいな終わりになっていて消化不良。
恵亮が独鈷で自らの頭をかち割って、脳漿をまき散らすなど、おどろおどろしさもないわけではないけど。

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