『「国宝」学者死す』(1951)
もうすでに初期から、あの独特の三人称語りを確立させている。主人公を「武平さん」とさん付けだし、まるで誰からから聞いた話であるように、伝聞調でつらつら書かれていく。
吉野の山奥で育ったため魚も豆腐も知らず、下界に降りてきてこれらを覚え、好きが高じて世界的な魚類学者になってしまったという。貧乏学者だから魚も食えない、だから妻にたらふく食わしてやりたいと遠洋漁業にではいいがそこで難破して、狭心症かなにかで死ぬ。葬儀では生ものはよくないが、あんなに食べたかったんだからと供えられる。
短編小説ってのは面白いものだなあ。書き手の力量がそのままでる。この小説、話自体それほど特記すべきところもないけど、やはりそこは文章力で、主人公の武平さんが愛おしくなってしまうのだ。
それに、司馬さんの作品というのは、なんとも真実味がでてしまって、この武平という人物があたかも存在するかのようだ。そもそも白波堆なんてものがあるのか。
もうすでに初期から、あの独特の三人称語りを確立させている。主人公を「武平さん」とさん付けだし、まるで誰からから聞いた話であるように、伝聞調でつらつら書かれていく。
吉野の山奥で育ったため魚も豆腐も知らず、下界に降りてきてこれらを覚え、好きが高じて世界的な魚類学者になってしまったという。貧乏学者だから魚も食えない、だから妻にたらふく食わしてやりたいと遠洋漁業にではいいがそこで難破して、狭心症かなにかで死ぬ。葬儀では生ものはよくないが、あんなに食べたかったんだからと供えられる。
短編小説ってのは面白いものだなあ。書き手の力量がそのままでる。この小説、話自体それほど特記すべきところもないけど、やはりそこは文章力で、主人公の武平さんが愛おしくなってしまうのだ。
それに、司馬さんの作品というのは、なんとも真実味がでてしまって、この武平という人物があたかも存在するかのようだ。そもそも白波堆なんてものがあるのか。
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