2019/11/11

『西南シルクロードは密林に消える』高野秀行 講談社、『ミャンマーの柳生一族』高野秀行 集英社

ドイツ出張の際にフライト中に、高野秀行の本を読む。
高野秀行さんの本は久しぶり。『謎のアジア納豆――そして帰ってきた〈日本納豆〉』以来。
ドイツへ行き、基本仕事だったけど観光を少しして、いいところではあるのだけれど、やっぱりアジアの猥雑さというか人間臭さがあまりなくって、高野さんの本も読んだ後といいうこともあり、物足りない感が半端ではなかった。

『西南シルクロードは密林に消える』高野秀行 講談社
で、結局「西南シルクロード」とはなんであったのかはわからず、題名通り、密林に消えていっている。
内容は、冒険譚としては最高におもしろいもの。西南シルクロードの考証的ななにかをもとめるべきではない。
成都からはじまり、大理、瑞麗、そこからからカチンに入り、ナガへ。最後はカルカッタに行く。
カチンのゲリラのいいかげんさや、修羅場の切り抜け方なんかおもしろい。中国の公安に捕まって、嘘八百をならべて解放されちゃうし。
親子の再会なんかもあって、マジかよとなる。

『ミャンマーの柳生一族』高野秀行 集英社
船戸与一と一緒にミャンマーにいった記録。船戸さんは、このミャンマー取材ののち『河畔に標なく』を書く。ずいぶん前にこの小説を読んだから、今ではほとんど覚えていない。
ミャンマー人の「国際性」を評価しているところなんか、なるほどと思った。民族、宗教が入り乱れている場では、たしかに日本のような均質な環境とは違うコミュニケーションが育まれるのだろうな。
それにミャンマー人が本をよく読むというのは知らなかった。本を読む少女の写真が載っていて、なかなかいい写真だった。木陰で物売りをしている少女のやつ。
ミャンマーの権力争いについて、簡潔にわかりやすく書かれているけど、正直言えば、そのあたりは興味がない。だって権力争いなんて話としてはおもしろいけど、知識欲を満たしてくれるものではないからね。
でも、おもしろかった。


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