2019/11/10

『風邪の効用』 野口晴哉 ちくま文庫

『整体入門』を読んで、受け付けなかったのだけれど、『風邪の効用』は短い本だし、ざっと一、二時間で読めてしまいそうなので、電車で暇つぶしに読んだ。
風邪は身体の調整をしてくれるとのことで、よく風邪をひく人は身体が丈夫になっていくという。逆に風邪をひかない人は、突然ころりと死んだりしちゃうのだとか。
風邪はきちんと対処すれば、身体にとって有益なのだと。デトックス効果というやつでしょうか。
『整体入門』のときもそうだけれど、椎骨何番とか書いてあっても、正直よくわからない。というか椎骨何番でなぜどこどこに効くというふうになるのか。単に経験則でものを言っている感じしかしない。
で、致命的なのが、「風邪」の定義を、野口さんはしていないことだ。
「風邪」とひとくちに言っても、いろいろあるし、人によっては風邪と認識していない風邪もあるだろう。野口さんから言えば風邪になるような症状もあるだろう。
野口さんは、さまざまな風邪があって、対処が難しいと逃げをうっているが。

多くの部分で受け入れがたいのだけれど、ただ風邪がなんであるかを探求したい人には、オルタナティブな答えをくれると思う。
人が病気をするというのは、単に悪い方向にいくだけでなく、調整機能があるのかもしれないと改めて思わせてくれる。
風邪というのは、身体が快方へ向かう途上なのかもしれない、と。

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