RACHMANINOV
PIANO CONCERTO NO. 2 IN C MINOR OPUS18
Julius Katchen(Piano)
with Anatole Fistoulari
Conducting
The New Symphony Orchestra
DECCA, LXT2595
ジュリアス・カッチェンのラフマニノフ、ピアノ協奏曲第二番。指揮アナトール・フィストゥラーリ。録音は1951年。録音当時、カッチェンは二十代前半。
第一楽章、けっこう速いテンポで、カッチェンのピアノが走っている。
第二楽章、ここでもテンポは早めだが、詩情感たっぷりにきかせてくれる。なんというか老年のもつノスタルジーではなく、いままさに若きカッチェンがロマンを注ぎ込んでいる感じでしょうか。
第三楽章、これは白眉でしょうか。ピアノのすさまじさのみならず、オーケストラがスラヴ的雰囲気をきちんと表現している。フィストゥラーリがウクライナ出身だからか。打楽器の表現が、他の指揮者のものとは異なり、ラフマニノフの意図を越えて非常に効果的に聴こえる。クライマックスでのピアノとオーケストラの合奏は圧巻で、いっきに駆け上がっていく。
カッチェンのピアノは明晰で、迷いがない(他のピアニストは迷いがある、というわけではなくて)。
この録音は、まあ正直いいとはいえないのだけれど、演奏はすさまじく名演だと思う。レコードでまだ聴いているので音に厚みがでてるけど、この録音をCDで聴くとけっこう薄っぺらい音質になっているはず。50年代、60年代のMONO録音をCO化したものは、残念な音質になっているケースがほとんど。
カッチェンのラフマニノフは、おそらくショルティとのものが有名だし、録音状態もいい。それでも、どっちがいいと問われれば、フィストゥラーリとの録音を僕は選ぶと思う。
僕の愛聴盤になると思う。
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