2020/10/24

『イワンのばか』 トルストイ/金子幸彦訳 岩波少年文庫

「イワンのばか」の話は、そらくは小学生か中学生ぶり。そういえばこういう話だったなーと思い出に耽る。トルストイ先生は、やはり根っからのヒューマニストである。一生懸命に、手にタコができながら、畑を耕して働く人間の尊さと書く。
そもそも本書に収められている「カフカースのとりこ」を読むために本書を繙いた。
当時から、ロシア人とチェチェン人はいがみあっていたようですね。トルストイは特にタタール人を悪くは書いていない。
最後に
「これがぼくの帰郷と結婚だったのさ! いや、二つとも、ぼくには縁がなかったようだね。」
と言って、カフカースで任務を全うしたと終えている。
これはどういう意味なのか。
この話は、他の短篇とは異なり、あまり人生論や道徳を語っていない。主人公のイワンが帰郷途中にタタール人に捕まり、タタール人と仲良くもなりつつ、逃げるための準備をする。一回目は失敗するが、二回目タタール人の少女ジーリンの助けもあり成功する。
トルストイはタタール人の村のある老人が、家族を殺されたことでロシア人を憎んいると書く。

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