2021/06/06

帚木――源氏物語

帚木は桐壺とは別の序論として位置づけられるようで、前巻の桐壺を直接受けての話にはなっていない。

帚木系十六巻
帚木、空蝉、夕顔、末摘花、蓬生、関屋、玉鬘、初音、胡蝶、蛍、常夏、篝火、野分、行幸、藤袴、真木柱

まず「雨夜の品定め」である。
ん-しかし、時代が違えど、男たちの女性論は普遍であるような気がしてならない。ここで論じられれている女性論はもちろん現代では大っぴらに公表はできないし、こんなことを現代の作家が書いたら叩かれてしまう。しかし、呑み屋では今もって語られていることと同じようなものである。
あまりに悋気がすぎることを嫌い、ちょっとした浮気ぐらい大目に見ろといって、別れ話を切り出すと女はニヤニヤしてそれに言い返したりする。いやーなかなかおもしろい。女も黙っておらず、左馬頭の指一本を咬みつく。このあたりもなんかおかしみがある。女は女でニヤニヤしながら対応しているし、男をコントロールしようという意志がありそうな話になっている。しかし女は死んでしまうが。男はその女の郷愁にしたり、あれ以上の女はいないだとかぬかす。
ちょっと現代風で変わった女と付き合うよりは、しっかりした女と付き合った方がいいみたいなことも、まあ今と変わらない普遍性を感じる。
この「指食いの女」は『白氏文集』の「諷諭詩」の「上陽白髪人」から引かれているらしい。紫式部はここで女の人生の怨嗟を描いているようだ。にしてもなんか馬鹿馬鹿しい話にも見える。
中将の妻がニンニク臭いとかも、どこかのんびりしているが、女の人生の儚さがでている。

しかし、それに気が付かぬ男どもよ、と紫式部は言っているかのようではないですか。人それぞれ恋愛論はあるけれど、時代が変わっても一般論としての女性論は変わらずといったところでしょう。これはまあ男性からみた女性論、結婚論であり、これを受けて、光源氏の空蝉との逢瀬となる。

方違えだからというので紀伊守の家に行く。女房たちが来ているから手狭であると暗に紀伊は断ろうとするが、光源氏は、人が大勢いるからいいんだと押し通す。この時光源氏十七歳。なんとも数寄者だこと。
光源氏は心臓に毛が生えたような奴で、紀伊守の継母(空蝉)を抱いてしまう。

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