2020/06/26

『日航123便 墜落の新事実――目撃証言から真相に迫る』 青山透子 河出書房新社

またもや積読していたものが文庫落ち。なので急ぎ読んだ。

「後部圧力隔壁修理ミス」というのが公式の事故原因となっているが、これはアメリカ側の先行報道によって作られたものだとしている。修理ミスであれば、「仕方がない」ですむし、でもトランスワールド航空800便墜落事故というのがあって、こちらは軍事訓練での誤射という見解もあるらしい。Wikipediaでは陰謀論のくくりにされているけど。

被害者の遺体が完全な炭化まで進んでいたこと、二機のファントムが航空機を追っていたにもかかわらず、墜落現場が不明と報道され、救助活動も(意図的に?)遅れていたこと、しかもこの二機のファントムは調査書には記載がないこと、航空機と並行して飛んでいた赤い円形もしくは円錐形の物体のこと、など不自然なことが多い。

著者のとりあえずの結論としては、武器によって誤射かどうかわからないが、撃たれたのかもしれないというもので、真実は闇の中になってしまっている。
これも仕方がない。資料がないし、返却もされないし、改竄だってさてているから。
陰謀論と片付けるのは簡単だが、被害者や関係者からすれば、要らぬ詮索をされてしまうのも仕方がない。情報が正直に公開されないからだ。

ただし全体的にノンフィクションとしての出来はあまりよくない。もう少しゲル状燃料(ガソリンとタールの混ぜ物)とジェットエンジンとの燃焼比較などの検証がもっと欲しかった。
他に米軍や自衛隊の事故当時の行動の詳細なども、もっと詳細があってもいいと思う。
ノンフィクションとしての強度が足りなかったかな。だから批判が出やすいものになってしまっている。

Wikipediaではかなーり詳しいく書かれているが、ただ2020年6月26日時点での記事は、上記の疑問に対して記述がない。唯一、脚注に一件あるのみ。
これはどうなっているのか。他のことはかなり詳しく書かれているのに、青山さんへの批判もなにもないし、参考文献に記載がない。
なんかいろいろと勘繰ってしまいますねー。

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