2019/04/25

『白椿 花妖譚八』司馬遼太郎短篇全集一

白椿 花妖譚八

幻術、催眠術をあやつる塩売長次郎は、伊勢屋惣右衛門の娘のしずの病を治せないかと相談を受ける。山茶のなかでも「見驚」を愛し、育てていた。かれはしずに山茶が日ごとに蕾から花がひらく、それに従いながら、しずも回復していくという。30日後みごとに花が咲き、しずも病が癒えた。
「しず――」
「はい」
「お前は……」
「山茶でございます」
「花は、ひらいたか」
長次郎は、自らの技を試すかのように、山茶の花をもぎると、しずは一瞬死ぬ、そして花をもとに戻すと、しずはまた生き返った。

まあまあまあといった感じ。しずと山茶が入れ替わったのかどうか、幻想小説としてはいまいち。夢幻的要素が少なく、これも習作のようなもの。

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