2019/04/29

北方謙三版『水滸伝二 替天の章』2

「天間の星」「地耗の星」「天異の星」「地妖の星」「地魔の星」まで

晁蓋は地下牢に二年間も入れられている公孫勝を解放させるために、魯智深、史進とともに渭州の牢を襲撃する。史進が大いに戦い難なく救い出す。救い出された公孫勝は影の軍、致死軍の創設を提案する。彼の部下として楊雄と石秀が登場する。彼等は心から公孫勝を慕っており、牢に最初に駆けつけたのも彼らだった。
林冲は梁山湖の砦で、王倫を殺す機会を伺っていた。そんなおり、蔡京の生辰綱のため梁中書が十万貫の贈り物をするという。それは実質蔡京への賄賂だが、民から吸い上げたもの。楊志はこの贈りものを無事開封府に送り届ける役を受ける。楊志は忸怩たる思いで運ぶこととなる。楊志のものと孔亮と孔明のふたりがつく。二人は蔡京への贈りものを奪う役を担っていた。
一方、林冲は梁山湖の要塞のなかで、何度か毒をもられるが薛永の毒消し薬で切りぬける。そんななか晁蓋らが入山するための準備をすすめていく。宋万や杜撰はすでに王倫を見かぎっており、林冲とともに王倫を殺す計画をたてていく。
晁蓋や呉用らは梁山湖の山塞に入るためにも、蔡京への贈りものの荷を襲う計画をたてる。楊志はまんまと孔亮よ孔明に出しぬかれて、贈りものを盗まれてしまう。白勝が毒をもったのだ。楊志は賊を一人で追いつづける。
予定通り、晁蓋らは官兵に追われている体で山塞への入山を求める。王倫はもし晁蓋らの入山を認めれば政府は梁山湖を潰しにかかることは目にみえていた。そのため王倫は、体よく入山を断る。林冲がでてきて、それは義に反するといい、いっきに王倫の首をはねる。宋万、杜撰も王倫の側近たちを斬りふせていく。あっというまにクーデターは成功する。晁蓋を頂点とし、新たに梁山泊と称すと宣言し、「替天行道」の旗がかかげられる。

ようやく晁蓋が梁山湖の山塞に入り、話が大きく進みだす。ちょっとご都合主義的な流れではあるけれど、それは原作が原作だから仕方がない。とりあえずおもしろくなってきた。楊志がこれからどんなふうにこの水滸伝で活躍していくのか気になる。

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