2019/04/23

『サフラン 花妖譚九』司馬遼太郎短篇全集一

サフラン 花妖譚九

ムハメッドが世に出る前の「無道時代」アラビア砂漠でアブル・アビという豪傑がいた。だれからも恐れられていた。そんな中、山猫(スレット)とよばれる男がありを殺す役に選ばれる。
アリは処女犠牲であった少女を犯し、神に捧げるなら俺に捧げろ、神が守ってるんじゃない、俺が守っているんだという。そして俺を殺せるものは誰もいないと、心が昂ぶるのではなく、逆に沈んでいき、世界に自分ひとりだけという孤独感にさいなまれていく。そんな中、山猫が現れる。アリはそんな気分じゃないと闘いを拒否する。山猫は勝負してくれと食い下がる。殺してくれと頼まれる。アリは山猫の首を切り、そのまま白刃は一旋しアリ自らの首も跳ね飛ばしてしまう。

まあまあまあまあ。サフランって何か関係あるのかどうか。サフランが登場しなかったけどいいのか。山猫とは違い、アリは自分自身でしか己を殺すものはいないとと判断したのだろう。これも微妙な作品だった。

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