Beethoven
Sonata No23 In F Minor Op. 57 "Appassionata"
Sonata No32 In C Minor Op. 111
Jullius Katchen
DECCA, LXT 5187
ジュリアス・カッチェンのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ23番と32番。1955年の録音。
23番「熱情」は、僕はなんかあまりに深刻ぶっているところが好きではなくて、ほとんど聴くことはないのだけれど、聴いてみると、たまに聴くといいもんだなあと思った。
やはりメインは32番でしょう。カッチェンは32番を55年と68年の2回録音している。55年当時、カッチェンは29歳。第一楽章の確信に満ちている。カッチェンの音は、強弱が非常に明確で色彩に富んでいる。色彩に富むというのはなんか変な形容だけれども。あんまりぼやかすような演奏ではない。
第二楽章は若干テンポが早めでどこか明るい。この曲が本来もっている瞑想的で厭世的な、そんな曲想から脱却して、希望を見いだすかのような演奏をしている。
惜しむらくは、録音があまり良いとはいえないところだが、まあこれも歴史を感じるうえではいいもんで。
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