2021/03/14

『感情史の始まり』ヤン・プランパー/森田直子 監訳 みすず書房

んーかなり微妙。普遍主義と構築主義を止揚しようとしているようだが、正直何をやっているのかわかりかねた。
感情というのは本能だ。しかしその現れ方は文化によって異なるし、時代によっても異なるだろう。
歴史上の人物にも感情があるなんて、そんなことふつうでしょうし、テキストを読むうえであたりまえのように考慮に入れることでしょう。怒りの文章でも、今の自分がもっている怒りの感情とは同質かどうかなんて、んなこと知るかよ、と思う。
神経生理学や解剖学的な知見だけではいけない、というのもそうでしょうよ。
アリストファネスでもアイスキュロスでもいいけど、読んでみれば、そこには現在と相通じるものがある。たしかに細かい機微まではわからないけど、同じように笑い悲しんでいたわけです。
いずれにせよ感情史とはなんだかよくわからない。

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