2019/09/27

北方謙三版「水滸伝十 濁流の章」

水滸伝十 濁流の章
呼延灼がようやく活躍する。
代州で武松と李逵は韓滔と出会い、韓滔の村で畑仕事をしながら、しばらく暮らす。呼延灼は彭玘と韓滔と仲がよく、武松、李逵は呼延灼とも会う。
呼延灼は童貫から梁山泊を攻めて勝つことを命じられる。この闘いでは高俅率いる禁軍が同行する。さらに凌振の砲兵をつけることとなった。
呼延灼が考案した連環馬と凌振の砲で晁蓋は大敗を喫する。晁蓋は戦いのなかで、敵軍に囲まれ、武松、李逵、張青に救われる。
呼延灼は勝利後に高俅に北京大名府に帝の名代に戦勝報告をしにいくように命じられる。呼延灼が留守の間に高俅は梁山泊をさらに攻めて手柄をとろうとする。高俅は呼延灼の秘策だった連環馬を再度行うも、徐寧が連環馬を退ける対策を知っていた。晁蓋率いる梁山泊軍は、簡単に勝ってしまう。この戦いで呼延灼が鍛え育ててきた程順を失う。
梁山泊側は梁山泊設立前から登場し、陰ながら活躍していた饅頭屋を営んでいた朱貴が死んでしまう。
呼延灼は高俅の行動を聞き、急ぎ戦場に戻るが時すでに遅かった。
彭玘と韓滔は梁山泊に入山することにして、呼延灼にも入山を進める。迷いながらも、帝や宋という国家に愛想がつきていたこともあり、梁山泊にはいることにする。凌振は大砲が打てればどこでもいいといった感じ。
史進は部下を失い、穆弘は弟の穆春を失ったが、呼延灼を寛大にも受け入れていく。

ようやく折り返し地点まで読んだ。
武松、李逵、張青の反則的な強さは、まあ仕方がないかな。
呼延灼が梁山泊に加わるのはいいけど、けっこうあっさりと決意している感じがある。これは呼延灼だけでなく他の登場人物でもそうなんだけど、あっさりと宋を見限ってしまう。
いつもの愚痴になるけど、宋江は厳しい、という、とくに林冲に対しては、という。でも宋江の厳しさが伝わってこないんだよね。決断力もあるっていうけど、いったいなにを決断したのやら。
宋江という存在は、具体的な存在ではなくて、「替天行道」と同じで象徴にすぎない。宋江が宋を倒すうえで、どのようなプランを持っているのかなどもあいまい。兵十万説みたいなことも書いてあるけど、それだけ。
さて、宋軍の大物はあと関勝ぐらいか。
李袞がさっそく何もせず、あっさりと死んでしまう。まじか。死とはそんなもんなのだと北方さんがおっしゃているようだ。

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