2019/01/01

マーク・トウェイン(中野好夫訳)『人間とは何か』岩波文庫

人間は利己的な生き物で、自らの快楽を一番の優先して生きている生き物であることを、ずっと論じている内容。かなり厭世的で身も蓋もない。人を助けるのも、助けないより助けた方が気持ちが楽だからとか、んーまあそうだねーと。こういった内容が延々と続いている。利他的行動は突き詰めれば利己的な行動でしかないとずっと書いている。
この本で、まあ面白いのは最後。対話形式で書かれているが、老人が若者に諭す形式だが、だんだんと若者は老人の考えに親しんでいき、ラストのほう、こんなことを公にしていいのですか、こんな重要な真理をみなに知らせれば、みな自暴自棄になったり厭世的な気分に支配されてしまうではないですか、といったことを問う。老人は言う、いやいやそんな利口な奴らは結局のところいない、たとえ真理を教えたところですぐに忘れてしまうか、聞いていないかのどちらかだ、と。最後の最後までペシミスティックな内容だった。この本には姉妹編『不思議な少年』という小説があるが、こちらは未見。近いうちに読もうと思う。

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