2021/01/13

『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』 増田俊也 新潮文庫

福島清三郎が舞鶴に左遷された石原莞爾を慕い、東亜連盟の活動をしていく。その会が義方会で、それに牛島辰熊がや曹寧柱が参加する。そこで木村政彦と大山倍達も出会う。なんと牛島は木村を使って、東條英機を暗殺しようとしていたという。しかし、しようとしたところ東條は総辞職した。
この時代、武道家と政治家や軍人との関係は現在では考えられないような緊密さをもっていたのはたしかで、植芝盛平も出口王仁三郎とともにモンゴルへ行っているし。
ここに収められている柔道一本で生きてきた男たちの悲哀がたまらない。阿部謙四郎は戦後イギリスで講道館柔道ではない柔道を広めていこうと奮闘するのが泣ける。
あと、解説にも書かれているが、オーバーワークにたいする批判が昨今うるさいが、オーバーワークってなんでしょうね。根性だとかなんとかみんな嫌いなのかな。
なんか決められた練習以外で練習するのはいけないみたいな論調もあるようで。バカかとしか言いようがない。
みんな強くなりたい、うまくなりたいからオーバーワークする。
はあ、オーバーワークごときで昭和の価値観として批判されるのはたまらんわ。

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