Ravel
Trio En La Mineur pour Piano, violon et Violencelle
Roussel
Trio En Fa Maieur, Pour Flûte, Alto et Violoncelle, Op. 40
Trio En La Mineur Pour Violon, Alto et Violoncelle, Op. 58
Lucette Descaves, Piano
Jean-Pierre Rampal, Flûte
Trio Pasquier
ETATO, REM-1027-RE/ MONO
モーリス・ラヴェル ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重奏曲 イ短調
アルベール・ルーセル フルート、ヴィオラ、チェロのための三重奏曲 ヘ長調 作品40
アルベール・ルーセル ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための三重奏曲 イ短調 作品58
リュセット・デカーヴ、ピアノ
ジャン=ピエール・ランパル、フルート
パスキエ三重奏団
ラヴェルの三重奏は傑作中の傑作。
第一楽章、冒頭がほんとにきれい。ピアノのピアノから入って、弦楽が少しづつ合流していって、あっというまに一つ目の頂点へ。そこからヴァイオリンが歌いだすんだけど、チェロやピアノがヴァイオリンの音色と溶けあう感じが何とも言えない。
第二楽章はパントゥムというマレーの詩から着想を得ているらしいが、僕はパントゥムがなんだか知らないが、まあラヴェルも大して知らずに、どこかで聴いておもしろいと思ったのかな。舞踏的なリズムで、ピアノと弦楽の絡みあいが絶妙。
第三楽章、旋律がとてもよくて、悲しみとか苦しみとかそういう感情に寄りそうような月並みな旋律ではない。ノクターンであって、音で表す静寂って感じ。チェロがまず奏でていくが、それがもう美しいのなんの。ヴァイオリン、ピアノとその旋律を引き継いでいく。フーガみたいにしているのか?
第四楽章では一転して明るくなり、音楽が雪崩を起こしたかのように押し寄せる。
いま聴いても前衛的だし、それに音楽の愉楽も忘れていない。こういう音楽を聴いていると、ベートーヴェンの交響曲とか三重奏とか野暮で聴いていられなくなる。あの仰々しく、童貞っぽくて、押しつけがましい彼の一連の曲とは全くの対極にあり、ラヴェルは作曲家としてセンスが洒落ている。
ルーセルは初めて聴く。名前は知っていたけど、これまで機会がなかったし、それほど興味をそそる感じでもなかった。だが、今回聴いてみて、いい曲だよ。ヘ長調作品40はポリフォニックで、最初は雑多な感じを受けるが、音楽の自然な流れが途切れることがない。すーっと筆で線を書いた感じの潔さのようなものがある。
イ短調作品58ではモノフォニックな曲想で、第二楽章なんかは美しいですね。第三楽章の舞踏的なリズムなんかもおもしろい。
演奏はデカーヴという人で、Wikipediaにはプロコフィエフのピアノ協奏曲第三番の初演をした人だと。ランパルという人は、この人にちなんでフルートコンクールができちゃってるほどの人らしい。
それはそれとして、演奏はやはりフランス的なんだ。やはりドイツ、オーストリアとは全く異なるスタイル。やわらかいというか線が細いというか。リズムのとり方も軽薄な感じがして、いいですね。
これもエラートの再発盤なんだけれど、録音もMONOらしくていい。大音量にしたらさぞかしすばらしいだろうなあ。
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