Mozart, Concert In A MAJOR, K. 488
Walter Gieseking
Herbert Von Karajan
Philharmonia Orchestra
Columbia, 33C1012, MONO
ギーゼキングとカラヤンによるモーツァルトピアノ協奏曲23番。
これがすごくいい。録音も盤質よくないけど、すばらしいの一言。かつてカラヤンのモーツァルトの交響曲を聴いた時は、怒りしかなかったのだが。
録音は51年。50年代のカラヤンはほんとうに華があっていい。後年になればなるほど、なんというか、なんか臭いな、と感じるようになる。後年のカラヤンは、音楽が本来もっている臨場感というかライヴ感を除去し、それが極まってしまい、薄ペッらくなってしまった。
しかし、このモーツァルトはどうだ。録音こそよくないが、ミキシングなんてことをおよそしていない音がある。
ギーゼキングのピアノもいいんだけども、やはりオーケストラの華やかな音に耳がいってしまう。ギーゼキングのピアノとオーケストラが渾然一体となった演奏ではないし、オーケストラが走りすぎているけれど、それがいい。若かりしカラヤンの勇み足を自然に楽しめる。同時代に聴いていたら、つまらない批評をしてしまうところだろう。
レコードという記録メディアだからこその味わえるもので、ぼくらがレコードを聴くのは歴史を聴いていると同義なのだから。
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