PergolesiStabat MaterMargaret Marshall • Lucia Valentini Terrani • London Symphony Orchestra • Claudio AbbadoDeutsche Grammophon, 415 103-1
アバドのスターバト・マーテル、一回目の録音。二回目の録音では、ピリオド演奏にかなり接近しているものだが、一回目の録音ではオーケストラは大編成で、雅で厳かな雰囲気を作りだし、重厚な美を響かせている。二回目ではリュートを使ったり、編成を少人数にしたりと、アクが抜けたような、こちらも好演奏だったが。どちらが良いかというのは好みの問題になる。どちらがより「再現」されているかといえば、二回目になるが、しかし古楽イデオロギーを取り入れるのもいいが、やはり一回目の演奏のほうが聴く人間を深く感動させるものだと思う。最終的には、音楽はアーノンクールが言うように、どのようによりよく響かせることができるか、それが問題なのだろう。一回目のほうがより響いている。
しかし、このスターバト・マーテルなんか聴くと思うが、ペルコレージの時代にはマリアに、なんというか、人間性を見ようとしていた時代だと感じる。神性を見るのでなく、自らをイエスに投影し、マリアへの愛を謳っている。この曲はマリアの悲しみを謳っているのだが、そうではなくイエスの母への愛を謳っている。ペルコレージの母への慈しみに溢れている。ここには聖母マリアという神格化された像は見えない。
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