Gabriel Urbain Fauré
L'intégrale des nocturnes
Germaine Thyssens Valentin
TRIO RECORDS(CHARLIN), PA-1129-30
フォーレの夜想曲がすばらしいのは言うまでもなく、演奏もいい。
ティッサン=ヴァランタンというピアニストは知らなかった。
ぼくはフォーレの夜想曲はハイドシェックのものしか知らなかった。ハイドシェックの演奏はぼくのフォーレ像とは違うのか、あまり聞いてこなかった。彼の場合はやはり明るい。
音楽は演奏家で様相が異なるもので。
ティッサン=ヴァランタンのを聴いてみて、フォーレってこれだと思う演奏で、どこか物憂げ。
6番なんて、美しいの一言でありまして、光と影が交錯しているわけです。でもそれは色がない感じですかね。明暗だけの世界。明滅する世界。ここにあるのは情景描写でも心情描写でもない。心の変遷というか。
でもさらに素晴らしいのは13番でして、これが言葉で表しえないものでして。
そういえばジェンケレヴィッチの『音楽から沈黙へ――フォーレ―言葉では言い表し得ないもの…』、そしてネクトゥー『評伝フォーレ――明暗の響き』を売ってしまったのを、いまさらながら後悔している。
もう一度買い直すか、それとも図書館で借りるか、どうしようか。
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