2018/02/10

Mozart, Piano Concertos 21&22, Wilhelm Kempff

Mozart, Piano Concertos = Klavierkonzerte Nos. 21&22
Wilhelm Kempff
Symphonie-Orchester Des Bayerischen Rundfunks, Bernhard Klee
Deutsche Grammophon, 2531 372

ぼくがモーツァルトを聴くきっかけになった演奏。はじめてモーツァルトがいいと思った。第一楽章の疾走感に心地よさを得て、モーツァルトのよさの勘所を得たわけです。それまではモーツァルトの曲をイージー・リスニングのようなBGMのような存在としてましたが、そういうものではない、ここには音楽の喜びがあることを知ったわけです。現代人だとどうしても短調の曲が好まれてしまうが、モーツァルトの真骨頂は長調にあると心から今なら言える。
第一楽章の急な単調への移調。そしてオーケストラとピアノが絡み合い、駆け抜けるように繰り広げられていき、ケンプのまさにケンプらしいカデンツァ、第二楽章の、またケンプのケンプらしい穏やかな音の運び、そして第三楽章、コンパクトにまとめ上げて、ロマン派がやるような無駄に大げさなものにならず、古典派を代表するような軽やかさ、なんとも言えないわけでした。
この後、ぼくはCDでアンドラーシュ・シフや内田光子、ブランデルなどを聴いたのですが、今のところケンプが一番と思う。


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